皆様の中には、歯周病に罹患していてお困りの方も おられるかと思います。
歯周病発生の原因は、日々の歯磨きが 然るべきレベルに達していない状態が続いたために、口腔内に存在する歯周病菌が 病的レベルまで繁殖したことが原因です。
この病的レベルまで繁殖した歯周病菌が、歯を支える組織である 歯肉や歯槽骨などを破壊した結果 歯は支えを失って、最終的には 抜け落ちてしまうのが歯周病です。
患者側の皆様にとっては意外に思われるかもしれませんが、歯周病治療が的確に行える歯科医院の存在が まだ限定的である 現状があります。
歯周病が重度になってきますと、歯肉の切開・剥離・縫合 などの外科的処置が 必要になる場合があります。
重度の歯周病になった場合、その施術が大掛かりになるなど 皆様には多少なりとも苦痛を伴うことがあります。
しかしながら 歯科医師の中には、これらの処置が 苦手な『 外科嫌い 』に相当する 歯科医師も一定の割合で存在していて、『 歯周病は薬で治る！ 』との情報をもとに、『 歯周内科治療 』と呼ばれる 抗生剤服用を主軸とした 歯周病治療を実施している歯科医院があります。
時に 歯周病を薬で治すと謳う歯科医院からの情報では、あたかも その薬さえ飲めば 外科処置を行うことなく歯周病の問題がすべて解決する と解釈されるような情報配信が見かけられます。
このような歯科医師は、 上記の『 外科嫌い 』に相当することが多い という現状があります。
歯周病菌に感染することによって、 歯肉が腫れ上がったり その下の歯槽骨が破壊されたりしてしまうのですが
歯周病が軽度の場合は 薬の服用は ほとんど 必要なく（処方するとすれば 痛み止め ぐらいです）
歯周病が重度の場合は 外科的処置を行わずに抗生剤を服用した程度では治癒には向かいません。
将来において そのような薬が開発されることは 期待されることですが、現時点では 『 歯周病を治す薬 』は存在していません。
ただし 例外的に、外科的な治療法をもってしても 治り方が芳しくない方に関しては、このような抗生剤を 外科的な治療法に併用して処方する ということは考えられます。
本質的な歯科医療を受けたい と願う皆様におかれましては、十分に ご注意していただきたいと思います。
文責：万代総合歯科診療所 笛木 貴
