2022.077.13 KDRI 7月例会が開催されました。

今回は 群馬県歯科医師会館 を利用しての例会開催となりました。

今回は 2名の歯科医師が 日々の臨床について報告いたしました。

今月は 上州総合歯科医院 の 坪井泰喜 先生日本歯周病学会 専門医 森デンタルクリニック 森 公祐 先生が担当致しました。

 

坪井泰喜 上州総合歯科 群馬 前橋 高崎 伊勢崎 桐生 太田 歯周外科 インプラント治療 矯正歯科

まずは 坪井先生 が『 12 インプラント症例 』という演題で 症例発表を行いました。

”12” とは 歯科の専門用語で『 右上の前から2番目の歯 』という意味です。

坪井先生は当会での症例発表は初めてとなります。

坪井泰喜 上州総合歯科 群馬 前橋 高崎 伊勢崎 桐生 太田 歯周外科 インプラント治療 矯正歯科

根管治療の問題を主訴に来院した患者の 12 に対して、根管治療・矯正挺出 等を試みましたが、残念ながら保存不可(歯を抜かずに残すことが不可能)と診断し、やむなく抜歯 ⇒ インプラント治療 へ移行した症例です。

このように書くと、皆様の中には『 結局 歯を抜いたのかよ・・ 』と思われる方もいるかもしれません。

実情は 現在においても、ちょっとでも保存が厳しいと判断されると 躊躇なく抜歯に移行してしまう歯科医師のほうが多いのです。

坪井先生は 歯科医療の基本である『 まずは歯牙保存を試みる 』 ことから始め、やむを得ず抜歯になる場合は 新たに歯を入れる処置(欠損補綴:けっそんほてつ と言います)を行う という、本来あるべき歯科医療を実践しています。

本症例のように 患者が比較的若い方であれば、なおさらの事です。

今回は、欠損補綴における選択肢の一つであるインプラント治療を採用した症例報告でした。

的確な位置へのインプラント埋入術、歯肉形成術であり、日本口腔インプラント学会の専門申請症例にもできるような内容でした。

 

 

森公祐 森デンタルクリニック 歯周病専門医 群馬 前橋 高崎 伊勢崎 桐生 太田 歯周外科 インプラント治療 歯周組織再生療法

2番目は 森 先生 が『 侵襲性歯周炎患者10年経過症例 』という演題で 症例発表を行いました。

侵襲性歯周炎(広範型 侵襲性歯周炎 ステージIV グレードC)は 歯周病の中でも 最も対応が難しい部類になります。

歯を支える歯槽骨(しそうこつ)が失われることにより、歯の動揺が顕著になってくることもあります。

こうなってしまいますと、隣り合う歯同士で 時に虫歯でもない部分を削ってでも 連結のかぶせものを装着して固定(ラグビーのスクラムの要領)することもあります。

患者側の皆様が従事する業界においても『 ゼロリスク・ハイリターン 』というものは ほぼ存在しないと思われます。

皆様が顧客側に提供する ほとんどの 商品・製品・サービスは『 何らかのマイナスを被ってでも それ以上の利益を得る 』ということに基づいているかと思います。

一部の『 情報弱者 』と呼ばれる方々向けに、患者さんの口腔内を診る前から『 歯を抜かない・削らない 』と謳う歯科医院の存在があります。

情報弱者 のカテゴリーにいる方々は、このような表現に いとも簡単に飛びついてしまいます。

我々 KDRI メンバーは『 患者さんにウケること 』ではなく『 患者さんに真の利益になること 』を提供していることを、森 先生が示してくれました。

閑話休題

侵襲性歯周炎 は、歯科医師であれば誰でも対応できるものではありません。

かなり甘くみても 80%の歯科医師は対応不能といえるでしょう。

今回提示の症例は、歯周外科・歯周組織再生療法 等を駆使して 侵襲性歯周炎の患者を救い さらに10年もの管理を行った症例です。

森 公祐 先生の場合は

『 日本歯周病学会認定 歯周病専門医 だから、侵襲性歯周炎の患者を救えた 』のではなく

『 侵襲性歯周炎を救える歯科医師が、日本歯周病学会認定 歯周病専門医 になった 』のです(ここ大事です)。

毎月第2水曜日 19:30~ 例会を行っています。
私たちは志を共にできる仲間を募集しています。
また、準会員として例会参加(症例発表は任意)することも可能です。
当会の臨床への取り組みや、雰囲気を感じ取るには良いかと思います。

※入会希望の方は
森 デンタルクリニック 027-289-5656 まで ご連絡ください。

 

文責:万代総合歯科診療所 笛木 貴