皆様の中には、大変残念ながら抜歯を余儀なくされている方もおられるかと思います。
今回のテーマであります『 抜歯は その後の処置が確定してからです』というのは、緊急的に抜歯しなければならない方ではなく、抜歯の必要性に十分納得され、かつ 日を改めて抜歯に望むことのできる余裕がある方が対象となります。
抜歯をしてから、何らかの歯をいれる方法を欠損補綴(けっそんほてつ)と言います。
昔の歯科医療においては
抜歯をする
↓
欠損補綴の手段(インプラント・ブリッジ・義歯)を患者さんと確認する
↓
欠損補綴の処置を行う
というような、『 場当たり的な施術 』が主流でした。
この結果、写真のように抜歯後の歯肉(顎堤:がくてい と言います)の幅や高さが 高い確率で大きく縮んでしまうことがよくありました。
このようになってから での 欠損補綴を行おうとすると、縮んでしまった顎堤を復活させることがとても厄介になってしまいます。
しかし現代となっては、歯科医療のレベルが発展してきた事に伴い
①:抜歯 自体よりも その後の残った骨(歯槽骨:しそうこつ)の扱いが欠損補綴の方法によって大きく異なる
②:欠損補綴の手段が決定した段階で、抜歯よりも先に 歯周病の処置や仮歯を作るような 所謂『 お膳立て 』に相当する処置を行うことが必要となる
このように、場当たり的な歯科医療 から 治療計画に基づく総合的な歯科医療 になっています。
正しい高度の歯科医療を受けたいと願う皆様におかれましては、場当たり的な歯科医療を受けるのではなく治療計画に基づく総合的な歯科医療を受けていただきたいと思います。
文責:万代総合歯科診療所 笛木 貴