「麻酔にアレルギーがあります」

患者さんから自己申告していただくことがよくあります。

実際にアレルギーがある場合、慎重な対応をとる必要があり、重要な申告です。

しかし、自身でアレルギーと考えていても、実際にはアレルギーではない場合もあります。

局所麻酔のアレルギー(麻酔そのものより防腐剤へのアレルギーが多い)は、アナフィラキシーショック等、重篤な症状となることがあります。

具体的には、皮膚の発赤、発疹、呼吸困難、下痢、脈の触知不能、などです。

このような症状の経験がある場合は、必ず申告する必要があります。

しかし、アレルギー以外でも身体に変化が起こる場合があります。

動悸がする、気分が悪い、胸が苦しい、呼吸が荒くなる、意識がなくなる、等です。

これらの場合、アレルギーではなく、身体の一時的な反応であったり、局所麻酔の添加剤の作用であったりもします。

患者さんから申告していただいたアレルギーの大半が、こちらの部類のものだったりします。

アレルギーと思い込み(患者さんも歯科医師も)、適切な歯科治療を受けられていないことがあるかもしれません。

アレルギーと一括りにせず、症状を含めて主治医と相談してみてはいかがでしょうか。

文責:大嶋