2021年9月8日、KDRI 9月の例会を行いました。群馬県は 新型コロナウイルス感染症に関する 緊急事態宣言が出されている状態であることから、今回もzoomによるオンラインでの例会開催となりました。

 

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前座発表は、万代総合歯科診療所 笛木が行いました。

写真の症例は、40歳代 女性、右上6番目の歯の根管治療後 最終クラウン(かぶせもの)装着前に仮歯が装着されていますが、クラウン製作途中で顎関節症状(関節が鳴る)の重症化 や 頭痛・重度倦怠感 等の不定愁訴 が発生してしまい、当院を受診されました。

この患者さんは、一般的な歯科医師の目線では 『 歯牙の欠損があるものの、口腔内全体としての崩壊リスクは高くない』 と判定されやすいのですが、総合歯科臨床・包括歯科臨床の観点では 口腔内の視診と問診(今までのいきさつを伺う)だけで『 ハイリスク 』と 瞬時に判定されます。

今回は 本症例を通して、『 歯科医療の基本・原点回帰 の重要性 』 『 根管治療後における患歯安静のウソ(余程の問題がない限り必ず噛ませること) 』 、『 麺だけウマくても ”旨いラーメン” には ならない(専門医・総合臨床医 連携 の重要性) 』 について解説しました。

 

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メインの症例発表は、群馬県立小児医療センター の 大嶋瑛 先生より『 う蝕を認めない乳歯の 根尖性歯周炎 』という演題で発表していただきました。

根尖性歯周炎は、主に う蝕(うしょく:虫歯)や 歯冠破折(しかんはせつ:歯が欠けてしまうこと)からくるバイ菌感染 が重度に進行した際に生じる疾患で、時に この感染が広範囲組織に波及して、歯肉や あご や 頬 が腫れあがってしまうこともあります。

本症例では、2歳半の小児、右下奥歯周囲の歯肉 や 下あご が 感染性に腫れあがってしまったものの、それを裏付ける う蝕 や 歯冠破折 が見つからず、当初は その原因が全くつかめなかった とのことでした。

歯科医師である以上、すべての患者・すべての症例において 迅速かつ的確な診断を下すことが求められます。

しかしながら、実際の臨床現場においては 診断に苦慮する症例に出会うこともあるのが現状です。

最終的には、ある全身的な疾患が 本症例を引き起こす原因であったことが つきとめられ  回復に向かわせることができた、との解説でした。

大嶋先生が的確に解説された その疾患からおこりうる本症例発症との関連性を聞いて、あらためて診断力向上の重要性を痛感しました。

 

KDRI 北関東歯科臨床研究会 では、正会員・準会員を募集しています。

当会は『 群馬県、北関東域の歯科医療レベルを上げていこう 』 と 真剣に考えています。

ぜひとも 貴方の力が必要です。宜しくお願いします。詳細はこちらをクリック

 

文責:笛木 貴