今月は定期メインテナンスの重要性についてお伝えしたいと思います。
2012年にプレジデント誌で「人生の振り返り」に関するアンケート調査が行われました。
その中の「健康についての後悔」の第1位は「歯の定期検診を受ければよかった」でした。
振り返ってみて気づく歯の定期検診の重要性とは一体どのようなことなのでしょうか。
定期的にメインテナンスを行うことで歯を健康に保つことができる、ということを30年間の経過から示した研究(※1)があります。
その研究では375名の被検者を対象に、はじめの2年間は2ヶ月に1回、その後は3~12ヶ月に1回の歯科衛生士による染め出し、PMTC (Professional Mechanical Tooth Cleaning : 専門家による機械的歯面清掃)、フッ素塗布を行いました
そして30年間に失った歯と虫歯の本数を計測をしたところ下表のような結果になりました。
特に注目すべき点は、
・20~35歳からメンテナンスを30年間続けた場合95%以上の人が20本以上自分の歯を残せた
・虫歯の約80%は、以前に虫歯治療を行った部位の2次的な虫歯(メンテナンスを続ければ、新たな虫歯の発生もほとんどない)
という結果であり、
メンテナンスの継続は、失う歯の数を減らし、歯の健康状態を維持するために大きな効果があることがわかりました。
『どうせ痛くなったらまた来るからいいや』と思わず、痛くならないために歯科医院で定期メインテナンスをする習慣をつけると、人生を振り返ったときの後悔が一つ少なくなるかもしれませんね。
※1 The long-term effect of a plaque control program on tooth mortality, caries and periodontal disease in adults. Results after 30 years of maintenance.
Axelsson P, Nyström B, Lindhe J. J Clin Periodontol. 2004 Sep;31(9):749-57.