オーラルフレイル ~人は口から老いる~

昔から老化の始まりは、歩くのが遅くなったり、階段を上ることが大変になったりなど、足腰が弱くなることから始まると言われていましたが、
実は老化のサインはその前に口に現れていることをご存知ですか?
食事中によく食べこぼすようになったり、固いものが噛めなくなったり、むせることが多くなったりなどを感じてきたらそれは老化の始まりです。
食べること、飲み込むことの衰えを、“オーラルフレイル”といいます。

オーラルフレイルの症状は“老化のはじまりを示すサイン“として注目されるようになってきました。

虫歯や歯周病で歯を失うと、噛む力(咀嚼力)が低下します。自分の歯が20本より少なくなると、噛めないものが多くなると言われています。
咀嚼力が低下すると、食事は柔らかいものばかりに偏って栄養のバランスは悪化し、全身の筋力は低下してしまいます。
また、歯が悪くて食べられないものが増えると、家族や友人などと一緒に食事をする機会も少なくなります。一人で食事をしていると、外に出かけることも減り、社会とのつながりがだんだんと少なくなってしまいます。
オーラルフレイルはこうした口腔機能の軽微な衰えから、筋肉や心身の活力低下(フレイル)へとつながる老化の最初のサインでもあるのです。

オーラルフレイルを予防・改善するには
~口の中に関心を持つようにしましょう~
歯を失うとオーラルフレイルになりやすくなります。虫歯や歯周病から歯を守るには、口の中をいつも清潔に保つことが大切です。歯周プラーク(歯垢)の除去には、適切なブラッシング(歯とハグキの間を磨く)とともに、「歯間ブラシ」などの活用がお勧めです。
※歯石の除去は自分ではできません。かかりつけの歯科医で、定期的に受けるようにしてください。

口腔機能を意識し、維持・改善に努めましょう。
噛む、飲み込む、発声する、笑うといった動作は、唇や舌、口周辺の多くの筋肉がスムーズに働く必要があります。口と舌の体操(あいうべ体操)などを行って、筋肉や唾液腺がしっかり働く健やかな口腔機能を維持しましょう。本を声に出して読む、あるいはカラオケで元気に歌うなども有効な口の体操になると考えられています。

オーラルフレイルを予防し、口腔機能を健やかに保つことは、あなたの健康寿命を延ばすことにつながります。
日頃から歯と口の健康にもっと気を配り、いつまでも元気に過ごしましょう。