毎日のように雨ばかりの9月ももう末ですが、みなさんは体調を崩されたりはしていないでしょうか?

天気が悪いせいか今年は例年と比べて寒暖差がゆるく感じますが、例年ですとこの時期は日中は残暑の名残りで暑く、夜から朝方にかけて気温がグッと下がって肌寒くなってきます。だんだんと風邪をひく方が増えてくる時期でもあります。

風邪をひいたりした際に歯科医としてご注意いただきたいのがのど飴です。少し咳が出たりのどがいがらっぽい、なんて時にはのど飴をなめていると楽になるのでしょう。のど飴をなめているという人が増えるように感じます。

飴が虫歯の原因になるのは、みなさんもちろんおわかりのことと思います。薬効成分が入っているものなどもあるとはいえのど飴も飴です。糖分が含まれています。それを常用するとどうなるかは想像に難しくありません。

実際にこんなことがありました。

数年来診せていただいていた80代の男性の患者様が半年ぶりくらいに来院されました。歯が欠けてしまったとのことですが、みると前歯が根元から折れていました。断面全体が虫歯になっていて、衝撃でパキッと折れてしまったのではなく虫歯が進行してちぎれるようにして折れてしまったのは明らかです。 さらに見渡すと歯の根元や頬がかぶさる部分に10本近くそれもかなり重症な虫歯ができていました。よくよく聞けばしばらく咳が続いていたため一日中のど飴をなめていたということでした。

治療にはかなりの期間を要しました。それも大変ですが、治療が一旦終わりとなった後もしばらくは初期虫歯から徐々に進行してくる虫歯に注意が必要になります。

また、一応気を付けているのでしょうが、シュガーレスだから平気と勘違いされている方もいます。シュガーレスは砂糖が少ないというだけで含まれているものもありますし、別の種類の糖分が含まれているものもあります。 製品の表示だけを見て判断するのはかなり難しいようです。虫歯の原因になることもあると考えておいたほうが良いでしょう。

(現在はシュガーレスとノンシュガーは成分表示としては同じ意味でつかわれているそうです。)

やはり歯磨きなどのケアをしっかり行うのが必要ということにつきるようです。のど飴も歯のお手入れに気をつけつつ適度に摂れるといいですね。