6月19日に日本インプラント臨床研究会(CISJ)の特別研修会に参加しました。

 

午前は、加藤愼先生(加藤法律事務所)より「インプラント治療に関わる法的責任について」というテーマでの講演が行われました。近年の医療訴訟の傾向、法律家と医療者側の医療ミスの認識の違い、患者への対応のあり方等について、具体例を交えながら大変わかりやすくご講演いただきました。普段の診療に際して最良の結果を提供できるよう心がけていますが、説明内容の認識の食い違いや患者の意にそぐわない結果等、万人に対して100%完璧な結果を提供することは困難を伴い、医療訴訟に発展する場合もあります。医療訴訟に発展してから慌てるのではなく、日々の診療に際してきちんと記録を残し正しい医療を提供していくことの重要性を改めて感じました。

 

午後は、水上哲也先生(福岡県 水上歯科クリニック)より「中長期経過から考える重度歯周病患者の治療戦略」というテーマでの講演が行われました。水上先生施術の症例写真を交え、歯周再生治療やsocket graftingについて私見を織り交ぜながらご講演いただきました。いずれの術式を選択するにも、まずは全体像の評価や病態の診断を基本としており、診査・診断の重要性を再認識することができました。

 

詳細な記録の保存、時流の最先端だけにとらわれない診査・診断に基づいた正しい医療の提供といった、当会の基本姿勢ともつながる内容の講演会でした。

文責 大嶋瑛